小学生ぐらいのとき。
母方のじいちゃんばあちゃんちは、高知駅に裏にあって日曜日なんかは、自宅の一宮からそこまで一人か兄貴とバスに乗って、「比島アパート前」か「高知駅前」で降り、じいちゃんちでファミコンをしたり、駅裏のグラウンドで従兄や近所の子供たちと3角ベースで野球をしたり、駄菓子屋でブラックゼウスに歓喜したり、ばあちゃんに「くろうなったら、コトリが出るき、もう帰りなさい」と言われるまで、ほとんど毎週日曜の一日をそこで過ごした。
たまに、夜にみんなでご飯を食べに行く時があって、行くのは愛宕の「三好野」か、高知橋の「まつみ」、そこまでじいちゃんばあちゃん、おんちゃんおばちゃん、いとこの二人、母親と兄貴と自分という人数で歩いて向かう。家族親戚の大人数で歩く安心大行進。
兄貴やいとこはだいたいカラ揚げ定食。自分とじいちゃんは刺身定食。というパターンをよく覚えている。そこで出されるご飯は黒いおひつに入っていた。ふたを開けるとふわっといい香り。家のご飯とは全然違う。なんでこんなにおいしいのか、家でも食べたいなあと母親に聞くと、「大きい釜で焚いてるからやろう」と言う。違う機会にお店の女中さんに聞いてみた。
「かおり米というお米を入れているんです。」
スーパーで見たこともないそんなお米を入れているのか、だから特別でみんな食べにくるのかあ、スーパーで買えたら食べにいかんなるもんなあ、とかなんとか考えてなんとなく決着がついていた。
今回、付き合いのできた高知の卸屋から、かおり米のサンプルが届いた。さっそくコタンに入荷してた今年の新米を精米し、かおり米をいれお鍋で炊いた。ふたを開けると、(というか炊いてる時からもう香ってた。)まさに、あの座敷で開けたおひつの香り。長い間かかったけど、自分が反応してたおいしいごはん。実証が済みました。
少し背の高い稲のかおり米。うるち米です。コタンに入ったのは高知の四万十流域でつくられる「十和錦」。ある時突然変異でできた品種だそう。
おいしいごはんで食べたい時はぜひお試しください。ご飯がおいしいと食卓は安定します。
かおり米 80g 210円(税込)
(2合のお米にこの一袋を入れて炊きます。白米のほうがおいしい。)
※ばあちゃんに言われてた「コトリ」を当時は、夜行性の見たことないでかい鳥に鷲づかみに連れて行かれることがあるんだろうと思っていて本気でビビッて空に注意を向けていた。