岡山駅からすぐの自然食コタン奉還町店。その向かいに天然酵母パン屋&カフェ、TheMARKETがあります。2022年の今、コタンは18年目ですが、TheMARKETは23年目!創業時に起こしたルヴァン酵母を毎日かけ継ぎながら国産小麦と有機ドライフルーツ、有機ナッツを使いパンを焼いています。
そして今年から使用する全粒粉(The MARKETの最もベーシックなプレーン生地は全粒粉を40%使用)を瀬戸内市のグループ農場ワッカファームの自然栽培小麦に全量移行できました。10年越しに進めてきた地元の小麦で焼くパン屋にまた一歩近づきました。やったー🎉
話を自分の19年前に戻すと東京生活をドロップアウトし京都での生活を始めた頃、とある場所で初めて天然酵母パンを食べた。「なんだこの美味しさは!?」ともともとパン好きだったからこその稲妻衝撃⚡️
そこからパンを生業にしたいと思い、その頃はまだ多くなかった天然酵母パン屋を各地に訪ねたり、自分で酵母を起こして生地を捏ね仕事場のオーブンで焼かせてもらったりしていた。
そんな各地の天然酵母パン屋で感じたことがある。酵母の違いや小麦の違いはあれど、どこの人も親切で見ず知らずの自分に工房を見せてくれたし、聞けばなんでも答えてくれた。普通もよく知らなかったが、寿司屋や日本料理屋と同じように一般の製菓製パンの世界で突然訪ねてきた若者に全部見せるようなことはないはずだ。
何か仲間意識のような横のつながりのある世界で心地良いなあと強く思ったのをよく覚えている。
そして、あるパン職人に言われた言葉で納得した。
「日本で天然酵母パンを焼くというのは初まりはカウンターなんだよ。」
そうか!!!
どれだけ早くどれだけ効率的に。人の都合にパンを合わせて。工業的に発達した食品としてはパンも然り。日本のそのほとんどがふわふわのパンがメインストリームを席巻する中、自然の時間に合わせて非効率を選び、パンの都合に人間が合わすカウンター。
成長に終わりのない資本経済主義に対しての、非効率を選び自然な営みを自然の本当の美味しさを取り戻すまさにカウンターカルチャーとしてパンは焼かれたんだ。
(※無論、天然酵母での製造過程でも生業として各所で最大効率を求めるのは矛盾ではなくあたり前田)
もちろん訪ねたパン屋の中には単純に美味しいからと、反体制やカウンターなど意識していない人もたくさんいたが、皆やってることは芯がないと続けれないオルタナティブな生業だった。
そんな意識を暗黙に共有してか、あんなに親切な横のつながりを感じたのだと思う。その後もTheMARKETのパン職人を快く受け入れ研修させてくれたいくつかのパン屋、この世界は良いなあと改めて思った。
農業でも同じく工業化したものがメインになり、自然に則したものがマイノリティになり、それが異端のようにも扱われる逆転現象。
さあまた逆転させよう。輸入小麦に頼らず、地元の小麦を天然酵母で膨らませ、焼いて生まれる茶色のかわいい革命家。
カウンターカルチャーから新しいメインカルチャーへ。横には仲間がずらっと繋がっている。
天然酵母パン屋TheMARKETでは、パン職人も募集しています。性別年齢経験不問。発酵そして日々のパンを仕事にしたい方、ご応募お待ちしています。
応募詳細は、こちらから。