スタッフブログ

昨年夏から自然食コタン、ワッカファーム、サンシャインジュースの3社協働企画として始動したコールドプレスプロジェクト。
大好評の冷凍ジュースシリーズに加えて、この5月よりコタンの姉妹店The MARKET(岡山市奉還町)の店頭で搾るフレッシュジュースボトルの販売を開始しました!

◆なぜパン屋さん『The MARKET』に?◆
きっかけは今から約一年前、コタン代表近藤(写真右)が出張に出かけた鎌倉で、サンシャインジュース代表のコウノリさん(写真左)と運命的な出会いを果たし一瞬で意気投合(本人談)、その時期製作中だった『紙コタン』4号に寄稿していただくことになりました。
そこから話はとんとん拍子に進み、私たちのグループ農場ワッカファームのビーツを使った冷凍コールドプレス『SUPER JUICE BEET ROOT』を製造。半年後に黄人参小松菜の2色も加わり、『SUPER JUICE RASTAFARI SET』が完成しました。
そして新たな展開として始まるプロジェクトが『SUNSHINE JUICE in OKAYAMA』です。
「ワッカが育てた野菜をコタンで売る」という二人三脚スタイルを岡山で約20年。3年前に協働加工部toitaが発足し、去年からはマーケットパンの全粒粉を全量ワッカ小麦にと、Farm to Table の実践を少しずつ進めていく中で、自分たちでコールドプレスジュースを搾って売る、というのはある意味自然な流れであり、大きな飛躍でもあります。
圧搾することで栄養価はそのままに、大量の野菜をギュッと凝縮して手軽に摂ってもらえること、形や大きさが出荷に適さない野菜も使えること、搾りかすは堆肥や染色に再利用できることなど、農産物をお届けする新しい形として大きな可能性を感じています。
現在はサンシャインさんのレシピで、基本のジュース5種の提供からスタートしていますが、今後はワッカファームの季節の野菜を取り入れたオリジナルジュースを展開していく予定です。
岡山駅から徒歩5分の場所にあるThe MARKET。お仕事や学校の行き帰り、旅行中にも、気軽に野菜のエネルギーを楽しんでいただけるツールになれば幸いです!

◆コールドプレスジュースとは?◆
(SUNSHINE JUICE 紹介文より抜粋)
従来のジューサーによるジュースでは、高速回転する刃の摩擦熱と空気に触れることによる酸化で、熱に弱い栄養素の多くが失われてしまいます。また、市販の100%ジュースには、高温で長時間熱加熱した後で化学的に合成された栄養を添加しているものもありますが、自然の成分との働きの違いは明らかです。コールドプレスジュースの特徴は、素材に熱を加えず生のまま(コールド)、強い圧力をかけて(プレス)、水分を搾り出すこと。これにより、酵素やビタミンなどの熱に弱い栄養素を損なうことなく抽出できるのが最大の利点です。もちろん、そこに一切の添加はなく、素材の水分100%。
また、コールドプレス製法は不溶性の食物繊維を分離するので、野菜本来の栄養をしっかり吸収できる上に、直接食べるよりも消化の負担がかかりません。

 ◆飲み方は?◆
普通のジュースと変わらず召し上がっていただけますが、非加熱ですので、冷凍ジュースは解凍から10日、フレッシュのボトルジュースは開栓から24時間以内にお飲みください。
栄養たっぷりのジュースを一食分の食事に置き換えてのダイエットやクレンズもおすすめです。とってもクリアになりますよ。
夏バテでどうしても食欲が湧かないときの栄養補給や、風邪や貧血、二日酔いの予防や回復にも!
冷凍ジュースをいくつかストックしておけば心強いですね!

岡山駅からすぐの自然食コタン奉還町店。その向かいに天然酵母パン屋&カフェ、TheMARKETがあります。2022年の今、コタンは18年目ですが、TheMARKETは23年目!創業時に起こしたルヴァン酵母を毎日かけ継ぎながら国産小麦と有機ドライフルーツ、有機ナッツを使いパンを焼いています。

TheMARKETの天然酵母パン

そして今年から使用する全粒粉(The MARKETの最もベーシックなプレーン生地は全粒粉を40%使用)を瀬戸内市のグループ農場ワッカファームの自然栽培小麦に全量移行できました。10年越しに進めてきた地元の小麦で焼くパン屋にまた一歩近づきました。やったー🎉

wacca farm 自然栽培小麦

話を自分の19年前に戻すと東京生活をドロップアウトし京都での生活を始めた頃、とある場所で初めて天然酵母パンを食べた。「なんだこの美味しさは!?」ともともとパン好きだったからこその稲妻衝撃⚡️

そこからパンを生業にしたいと思い、その頃はまだ多くなかった天然酵母パン屋を各地に訪ねたり、自分で酵母を起こして生地を捏ね仕事場のオーブンで焼かせてもらったりしていた。

The MARKETのいちじくパン

そんな各地の天然酵母パン屋で感じたことがある。酵母の違いや小麦の違いはあれど、どこの人も親切で見ず知らずの自分に工房を見せてくれたし、聞けばなんでも答えてくれた。普通もよく知らなかったが、寿司屋や日本料理屋と同じように一般の製菓製パンの世界で突然訪ねてきた若者に全部見せるようなことはないはずだ。

何か仲間意識のような横のつながりのある世界で心地良いなあと強く思ったのをよく覚えている。

そして、あるパン職人に言われた言葉で納得した。

「日本で天然酵母パンを焼くというのは初まりはカウンターなんだよ。」

そうか!!!

どれだけ早くどれだけ効率的に。人の都合にパンを合わせて。工業的に発達した食品としてはパンも然り。日本のそのほとんどがふわふわのパンがメインストリームを席巻する中、自然の時間に合わせて非効率を選び、パンの都合に人間が合わすカウンター。

成長に終わりのない資本経済主義に対しての、非効率を選び自然な営みを自然の本当の美味しさを取り戻すまさにカウンターカルチャーとしてパンは焼かれたんだ。

(※無論、天然酵母での製造過程でも生業として各所で最大効率を求めるのは矛盾ではなくあたり前田)

もちろん訪ねたパン屋の中には単純に美味しいからと、反体制やカウンターなど意識していない人もたくさんいたが、皆やってることは芯がないと続けれないオルタナティブな生業だった。

そんな意識を暗黙に共有してか、あんなに親切な横のつながりを感じたのだと思う。その後もTheMARKETのパン職人を快く受け入れ研修させてくれたいくつかのパン屋、この世界は良いなあと改めて思った。

農業でも同じく工業化したものがメインになり、自然に則したものがマイノリティになり、それが異端のようにも扱われる逆転現象。

さあまた逆転させよう。輸入小麦に頼らず、地元の小麦を天然酵母で膨らませ、焼いて生まれる茶色のかわいい革命家。

カウンターカルチャーから新しいメインカルチャーへ。横には仲間がずらっと繋がっている。

自然食コタン

天然酵母パン屋TheMARKETでは、パン職人も募集しています。性別年齢経験不問。発酵そして日々のパンを仕事にしたい方、ご応募お待ちしています。

応募詳細は、こちらから。

TheMARKETでのbarイベント

【名刀味噌本舗】

岡山県瀬戸内市備前長船。
小さな川が流れるのどかな住宅街に「名刀味噌本舗」さんはあります。

名刀味噌の屋号のマークが印象的な綺麗な黄色の暖簾をくぐると
心地良い蒸し暑さと発酵の良い香りで身体が緩みます。

出迎えてくれたのは3代目の高原隆平さん。

現在、2代目は補助に回り、
主にお兄さんの陽平さんと弟の隆平さん、松尾さんの3人で名刀味噌を作り続けています。

名刀味噌は元々、農家さんが米を持ち込み米を麹にする「麹屋」から始まったそうです。

今でも麹づくりを一番大切にされており、
現在も地元の方から米を預かり麹にする仕事も続けておられます。

1954年創業で現在3代目。
味噌屋としては歴史は短いそう。

来た時から気になっていたTシャツのおじいさんが初代喜久郎さん。
(愛が伝わります。。^^)

喜久郎さんは全盲だったため
作業部屋には見えなくても作業がしやすい様にいろんな工夫がされていました。

その一つが麹室。
喜久郎さんが見えなくても分かりやすいよう
平乾式乾燥機を流用した4つの大きな箱がある麹室。

湿度が通常より高く、麹菌以外の菌も繁殖しやすいそうですが
その他の菌の多さと、手がける3人の手の常在菌が味の決め手だとか。

一度、老朽化で麹室を改装した際も普通の麹室には改装せず
元の形をそのままに改装したそうです。

「麹室の性質や人の手によって名刀味噌の味になる。なるべくそのまま。自然のままに。」

そう弟の隆平さんが語ってくださいました。

そして、喜久郎さんはアイデアマンだったそうで、乾燥した麹を開発したのも喜久郎さん。

そのアイデアマンの精神は現在も受け継がれており、
コタンでも定番の「生塩麹」は業界ではびっくりの塩分5%の低塩仕込み。
(一般的には10~15%程度)

さらに非加熱処理で瓶詰めしているため、酵素が元気いっぱいの「生」の活きた調味料です。

名刀味噌本舗 / 生塩麹 330g

※写真をクリックすると商品ページに飛びます※

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「糀ネクター」は米麹100%の甘酒をすりつぶした
トロトロの濃厚な麹のネクター。
甘味は麹由来のみ!
乳酸発酵の力ですっきりと甘酸っぱい味わい。

名刀味噌本舗 / 糀ネクター 150g

※写真をクリックすると商品ページに飛びます※

糀ネクターのソーダ割りをみんなにふるまってくださいました!

蒸し暑い麹室を案内して頂いた後だったので
スッキリして甘酸っぱい味わいがとっても美味しい!
身体に染み渡りました~♪

これからの寒い時期は糀ネクターを温めた豆乳で割るのもオススメ♪
こちらはコタンの常連さんに教えて頂いたレシピです◎

甘酸っぱい糀ネクターと優しい味の豆乳が身体を温めてくれます♪

その常連さんは寒い朝の楽しみの一つだとか◎
とっても素敵です!

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新しい商品を企画していく事の他にも力を入れておられることが「地産地消」です。

中国産の原料をわざわざ輸入する事に疑問を持ち、地元の麦や大豆を使用しています。

農薬を使用している農家さんには
農薬の蒔き方も相談し、無農薬に向けての働きかけもしているそうです。

お兄さんの陽平さんが積み上げられた樽の中から二つの樽の中身を見せてくださいました。

なんと、大豆の固定種・在来種の栽培も自分たちで始めたそうです。
しかも自然栽培!

現在は地元の品種の青大豆と茶大豆を収穫し、
豆の特徴を活かし甘味噌や熟成味噌など仕込んでおられます。

その時教えて頂いた原料の国産の麦や大豆、米の現状。

麦や大豆は国の補助金が少なく、決められている販売時の単価も安いそう。

その事もあり、先日岡山では大豆を作っていた大きい団体が生産を止められたそうです。

米に関しても、
畜産用の飼料米には補助金が出ますが人間が食べる用の食用米には補助金が出ません。
国に余剰米が沢山あるからだとか。

補助金が出ない、少ないとなると、手間が多く収穫量が少ない無農薬・無肥料の栽培では
コストがかかり過ぎてしまう。

海外の安価な原料が入ってくると、作っても高いと思われ消費者は買わない。

無農薬以前に、その原料を生産することすら継続できない。

商品の作り手も、地元で生産されてる原料を使いたくてもとても少なく
(さらに無農薬・無肥料はさらに少ない)危機感を感じているという事。

国の制度上、継続して国産原料を作ることが困難な現状ですが、
国産の原料を育てて、国産原料で作り手が商品を作って行く事。

「やらないといけない大切な事」
「出来ることからやるしかない」

今回の研修で伺った
kotibrewery(コチブルワリー)さんや一文字うどんさん、waccafarmさん、
風の谷さん、そして名刀味噌さん。

みんな口を揃えて言われてた言葉です。

味噌作りは1300年前に始まり今まで続いてきた。

「自分たちも歴史の一部だと思っている。」
そう語ってくれた松尾さん。

「発酵しているからるからこそ、生きているものを食べるという事。」
「食の中の本道ではないかと思う。」

私たちの身体は食べてきた物で出来ている。
色んな食物の栄養や菌で出来ている。

その栄養や菌を人の手で料理や商品にして食べている。

丁寧に自然に無理なく作られた食べ物。
選べばまだきちんとあります。

名刀味噌さんの味噌はそんなお味噌です。

ぜひ名刀味噌さんの作り手の思いを知り味わっていただきたい。
お話を聞きながら強く思いました。

写真を押すと商品ページへ飛びます※

名刀味噌本舗 / 合わせ麹味噌 800g

※オレンジの文字を押すと商品ページに飛びます※

一般的な合わせ味噌は、仕上がった米味噌と麦味噌をブレンドして作ります。
名刀味噌さんは仕込みの段階で玄米麹と麦麹を合わせて仕込み、それぞれの麹の
相乗効果で旨みを引き出します。
玄米麹の風味と麦麹の甘味がバランスよく醸し出されたお味噌です。

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名刀味噌本舗 / 玄米麹味噌 800g

※オレンジの文字を押すと商品ページに飛びます※

玄米の優れた栄養価をそのままに、長期熟成による独特の旨味と風味のあるお味噌。
当地に古くから伝わる麹歩合(通常の2倍)により玄米麹の自然の甘味が活かされ、
深い味わいがあるお味噌です。

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名刀味噌本舗 / あま味噌(白味噌) 750g

※オレンジの文字を押すと商品ページに飛びます※

通常の白味噌の場合、大豆を煮て色調を白く見せるため浸漬持に漂白することもあります。
名刀味噌さんは、栄養価を損なわぬよう大豆に漂白等の処理を一切行いません。
しかも通常より熟成期間を長くとり、味や風味、旨味が増した白味噌となっています。

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今回の研修で感じた事。

どの作り手さんも一貫して
国産原料への危機感と、それでも続けて行く事の大切さ、
思いや覚悟を教えてくださいました。

ここ数年で急激に変わった日本の生産システムと食卓。

「食べる事は生きる事」よく聞く言葉です。

その食べ物はどうやって食卓に届いているのか。

どんな人たちで
どんな思いで
どうやって作られているのか。

もっと届けたい、伝えたい。
コタンが出来る事は何だろう?

大事な思いを改めて問う事の出来た研修ツアーでした。

作り手が居なければ手に入れる事が出来ません。
求められなければ作り続けることは出来ません。
お互いあってこそ。

思いある作り手が続けて行くために。
自分や大切な誰かを思う人々が求める商品を届けるために。
思いのある商品を思い求める人に繋げていきたい。

コタンがそういう店でありたい、と改めて思いました。