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新しく入荷した白ワインのご紹介。
先日、仕入先のラシーヌさんの試飲会。集まった90本以上のワインの中で、コタンで扱える手頃な値段の自然派の中で、印象に残り、3度口に運んだこのスペインの白ワイン。このワインは、樽ではなく、古代仕込みでアンフォラと呼ばれる陶器の壺に仕込み、発酵熟成させたワイン。ありがちな酸の低いベタッとした感じはなく酸も効いて、香り味バランスが取れ美味しいです。ポテっとしたボトルの形もかわいいですね。ぜひお試しください。ノンフィルター、亜硫酸塩無添加。

ティナハス・デ・ラ・マタ(白) ベルナベ・ナヴァーロ 2808円

この醸造所を詳しくは、以下。

 歴史:ベルナベ・ナヴァーロ醸造所は2000年から、自作したブドウでもって、
    かつて作られていたスタイルのワインを造りはじめました。
    そのコンセプトのもと、2010年から
    “Viñedos Culturales(ヴィニャド・クルトラレス) ”という新シリーズの
    ワインが創りだされました。それは自分達の土地の文化や伝統を
    再発見しようという主旨によるものです。
    私たちの所有しているブドウ畑は独特でとても古いものです。
    なかには、自然保護区であり海抜ゼロメーターに位置する
    “Mata(ラ・マタ)自然公園”にも指定されている場所や、
    海から数キロ離れた海抜700メートルのVillena(ヴィエナ)村の中にある、
    Finca Usaldon(フィンカ・ウザルドン)と名付けられた畑もあります。

 醸造所のコンセプト(哲学):私たちのベルナベ・ナヴァーロ醸造所は、
               土地が与えてくれる恵みを享受し、
               その土地に回帰することを目指しています。
               その願いをワインの中に込めるということは、
               次のようなことだと考えています
               ― すなわち土地、空、テロワール、文化、
               土地に根差した人々、かつて作られたワイン、
               既に失われてしまった耕作放棄地、
               忘れ去られた小規模生産者、
               醸造家たちの技までも反映する、
               ワインを取り囲む全てを『遺産』とし、
               畏敬の念を抱きながら、ワイン作りに
               携わっていくということです。
               それがつまりは、『自然回帰』ということなのです。
 土壌:石や砂利に覆われた石灰質土壌。除草剤、化学肥料などは使わず、
    有機農法を用いています。地質学上で言うと、有機物の少ない花崗岩に
    由来する土壌です。
 醸造:自然酵母により醗酵。ほとんど人工的な手を加えることなく、
    自然な作りを目指しています。造り手は黒子のように酵母を活性化する環境を
    整える手助けだけをし、ワインを動かさず、酸化防止剤を加えるのを極力抑え、
    濾過をせずにビン詰めしています。
 熟成:ワインのタイプにより陶器、樽、
    ステンレスタンクでもって異なる期間、熟成を図ります。
      訪問すると有機栽培の手本というべき畑を見渡せる庭に迎えられ、
      自家製オリーヴと良く合うTsipouro(チプロ)と呼ばれるローカルな
      飲み物がごちそうされるでしょう。

自然食コタン

               カチャカチャ・・・ トントン・・・
        島根県出雲市にある株式会社 吉田ふるさと村の加工場は静か。
                 機械を使わないから。
        鍋に作った調味料を、ひとつひとつ手作業で瓶詰めしています。
         “加工場”というよりも、“台所”と呼ぶほうがしっくりくる。
        この“台所”こそ、吉田ふるさと村のコンセプトを表しています。

         「ものづくりの先に仕事づくり、そして村づくりがある」

           機械ではなく人の手を使うことで、雇用が生まれ、
           地元で採れた原料を使うから、農業が元気になる。
           住民がたのしく安心して働ける場をつくっています。

さらに吉田ふるさと村は、村づくりの一環として
水道工事や水道施設管理によるライフラインの整備や
雲南市民の足となるバスの運行も行っています。
自宅の玄関から目的地の玄関まで送ってくれる予約型バスまであるというから驚きです。

地元の農産物を使うだけでなく、
自らも商品の材料となる農産物を化学肥料や農薬を使わないで栽培している吉田ふるさと村。
原材料の100%が奥出雲産の七味唐辛子や、おにぎり味噌など、無添加で、おいしくて、おもしろい、吉田ふるさと村だからこそ作れる商品たちは、
人を大切にする村づくりのなかで生まれたものなんですね。

出雲研修ツアーの最後を飾った吉田ふるさと村。
話を聞いていると、私たちのお店「コタン」が頭に浮かびました。

「コタン」という名前も、アイヌ語で「村」を意味します。
人が集まり、時間や経験を共有し、つながってゆく。そんな「村」のようなお店でありたい。物質的なオーガニックだけではなく、
食べ物を通じて人と人との間に生まれるオーガニック感覚も大事にする。
別所蒲鉾店、西製茶、スモークハウス白南風、木次乳業、そして吉田ふるさと村を通して、
あらためてコタンのあり方をかんがえました。 
コタンスタッフ 星島

自然食コタン
写真はすべて㈱吉田ふるさと村ホームページから引用

出雲社員旅行2日目。cotanを象徴する商品のひとつともなっている木次パスチャライズ牛乳を製造されている木次乳業さんへ行かせていただきました。
私を含め多くのスタッフがどんな環境で牛達が生活をしているのか、どんな顔をしているのかを本当に楽しみにしていたと思います。

まず…そもそもパスチャライズ牛乳とはどんな牛乳なのか。
牛乳の天然の成分、栄養、風味を損なうことなく病原微生物による危険性を最小にすることを目的として65℃30分間殺菌する製法(低温殺菌)を用いた牛乳のことです。
過度な熱処理をした牛乳は胃の中で凝固しにくくなり、消化不良のまま腸に運び出されてしまいます。これによってお腹がゴロゴロしたりする原因のひとつにもなります。
木次パスチャライズ牛乳は乳本来の性質が残っているため胃の中でしっかりと凝固し、ゆっくりと消化、吸収されるので栄養分を十分に吸収されると言われています。

木次乳業さんでは何事もより自然な状態が一番と考え、きれいな空気、水、太陽に囲まれ、自由にのびのびと育った牛から質の高い牛乳が生まれるという考えで、工場から1.2時間以内の自然豊かな奥出雲の地の酪農家さんから毎日生乳を集めています。
特にノンホモ牛乳(圧縮せず油を散らさない、より自然な状態を保った牛乳)は搾乳してから工場までが遠いと揺れによって油が散ってしまうので絶対です。この自然な油が表面の膜となり、酸化も防いでくれます。
朝集められた生乳はその日のうちに検査をし、状態をしっかりチェックします。
厳しい検査をクリアした生乳のみが牛乳、加工品となります。
加工品のひとつに数種類のチーズがあります。コタンでも大人気商品、日本人にとってちょっと贅沢な特別なイメージがありますが、木次乳業さんではなんと牛、牛乳の状態をチェックする方法のひとつとしてチーズを作っています。


牛も生き物、体調や季節などによって様々な変化があります。
牛と直接接する〓チーズに加工することによってその日その日の状態がわかり、おいしいチーズができ、牛、牛乳ともにベストと判断されるそうです。
このことは直接お話を伺えるまで知らなかった驚きの事実です。
そしてもうひとつの驚きは一日のうち午前中は加工などの作業をし、午後からは全て清掃の時間としているということです。より自然な状態で搾乳し、必要最低ラインでの低温殺菌という方法を用いているので、様々な菌が繁殖しやすいからだそうです。午後からは工場内全てを清潔にし、より良い状態を保っていることで毎日確実に良い牛乳を作り出すという丁寧な気持ちがより伝わりました。

このことは牧場も同じで、牧場と聞くと独特な臭いが強く、どこかあまりキレイではないイメージがありますが、見学させていただいてびっくり、牛舎は清潔感があり、牧場は自然なまま、牛達も人間と同じ環境が一番心地良いのだろうという考え方に納得させられました。そんな環境で暮らしている牛達はおだやかで人なつっこく、優しい目をしていました。
商品にもあるブラウンスイス種の牛はその名の通りスイス生まれで、山の高低差のある場所生まれなので足が太くしっかりしており、平地ではなく山地に放牧されています。山に放牧されている牛は初めて見ました。
そんなブラウンスイスからうまれた牛乳はコクと旨味がしっかりあるのが特徴です。


牛も人間も同じー木次乳業さんでは生産者自ら心と身体が健康でなければなにも生み出せないという先代からの伝えがあり、全社員の昼食は自社農園の無農薬野菜や、玄米を使った社員食堂でお昼ご飯を共にします。健康維持.地産地消、今ではよく聞く言葉になりましたが、創業以来から引き継がれています。
時代や環境の変化により、食べることは生きることと分かってはいても多くの選択肢が溢れ、良くも悪くも進化しました。米作り、野菜作り、牛飼い、さまざまなコトができる私達人間はより自然の流れに沿った暮らしを振り返るべきなのでは。と今回の出雲の旅で改めて考えさせられました。
それぞれの役割を持った人間達が互いに助け合い、地域的な広がり、繋がりの中で循環していく社会。
大自然のサイクルに基づいた暮らし、少量でも足りる分でいい、季節に合わせた食べ物をいただき、赤ちゃんには母乳が一番。自分自身の心と身体の声をもっと素直に聞き入れてありがたく毎日を暮らしていきたい、と強く思いました。


今回私達が宿泊させていただいた[瓦葺きの家]も木次乳業さんがさまざまな人達が集まり、交流できる場所として作られました。
互いの想いや夢を食卓を囲みながら語らう、私達も全員ではなかなかできなかった機会をすばらしい宿で実現させていただくことができました。


ひとつひとつのいのちに感謝し、幸せも困難も全ては繋がっていることを感じて、ありのままの自然の一部として大切に毎日を暮らしていきたいと思いました。

今回の出雲で出会い、たくさんのお話を聞かせてくださった方々、それぞれの視点で2日間共に過ごしてくれたcotan.MARKETのみんな、ほんとうにありがとうございました。
スタッフ 粕谷まい

自然食コタン