めっきり寒くなりました!
どんどん冬が近づいていますね◎
みなさん元気にお過ごしですか??
さてさて前回から引き続きまして
今回のコタンのお便りは、コタン研修ツアー2軒目でございます◎
岡山が誇るこだわりのクラフトビール「koti beer(コチビール)」。
華やかな香りと優しく柔らかい味わい。
ビールが苦手な方も飲みやすいと評判!
コタンでも人気の「koti beer(コチビール)」の
koti brewery(コチブルワリー)さんを訪ねました!
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街を抜け山間を抜け、コタンのある岡山市からどんどん東へ。
あと少しで兵庫県という岡山東端の備前市。
静かな山間に「koti brewery(コチブルワリー)」の醸造所があります。
迎えてくれたのはkoti breweryの代表の妹尾さん。
とても物腰のやわらかい好青年。
はじめに教えてくれたのはこの場所の事です。
平屋のコンクリートで作られた、大きいとは言えないシンプルな建物。
この建物は備前市の持ち物で、元々地域の寄り合いの作業所として
地域の人たちが大豆を持ち寄って味噌を仕込んだりする場所だったそうです。
年々その寄り合いの作業があまり行われないようになり
今は縁あってkotiさんが一部醸造所として使用しています。
きれいに整えられた作業場には私たちの背より低い小ぶりのタンクが4機。
この小ぶりのタンクはアメリカの家庭用のサイズだそう。
(アメリカでは家でもタンクでビール作るのか!)
麦汁を温める時に使う寸胴鍋も
海外の家庭用の大きいサイズをオークションで購入したそうです。
アナログな機材も多い。
最新の機材や大きなタンクは借金してまで買おうとは思わなかった。
自分の出来る範囲でシンプルに揃えることで
結果、やりたいと思っていた
自然なビール作りが出来るようになったと語ってくれました。
ビールの主な原料は
天然酵母(自家採種)
麦芽(ドイツ産オーガニック)
小麦(岡山県産一文字うどんのフクホノカ)
ホップ(アメリカ産オーガニック)
柑橘ピール(瀬戸内産、オーガニックor自然栽培)
あと、コリアンダーシードやエルダーフラワーなどのハーブも入れます。
麦芽は食べさせて頂きました。
少し甘くて香ばしい。
ビールの苦味になるホップは菌が繁殖しすぎない様に制菌で使う程度。
出来るだけシンプルな味わいを目指しているので
ビールの苦味は柑橘ピールで出すそうです。
何と言っても天然酵母は
この醸造所の道を挟んだ向かいの桜の木の下で採取されているそう。
糖化した麦汁を置いておくと10分程でとれるんだとか!
酵母って意外と身近に存在するんだ!と
改めて菌と共に暮らしているんだなぁと実感しました。
柑橘ピールも自分たちで作ります。
毎年お正月に家族で夏みかんの皮をむくのが恒例行事なんだとか。
ほっこり。。♪
ビールは麦芽と小麦をお湯につけて
デンプンを糖化させ天然酵母で発酵させるというもの。
そうです。
ビールは発酵食品だったんです!
(そうか!とコタンスタッフ達も感動!)
妹尾さんのビール作りは出来るだけ自然に作る事を大切にされています。
温めた麦汁を冷やす際、
通常は機械を使い一気に冷却する
→自然に冷めるのを待つため一晩置く。
イースト菌を使用し発酵までに1週間かかる
→天然酵母で4週間~6週間かける。
通常炭酸ガスを入れたり
砂糖を入れたりして炭酸を出す
→発酵の途中で瓶詰めする事で瓶内発酵をして天然の炭酸を出す。
発酵も数字だけでなく、発酵の泡の具合を目で確認する。
熟成は毎回テイスティングして、
熟成の具合によっては瓶詰めしてから1年後に出荷する事もある。
自然を大切にするからこその手間暇です。
そして
「機械でボタンを押すだけのビール作りではなく、
ビールを作っている感覚が欲しかった」
と語ってくれました。
自然との対話と自分の五感で作るビール。
これぞビール職人!
発酵途中の麦汁を試飲させていただきました。
ほんのり甘くフルーティな味わい。
アルコール発酵はほとんどしてないタイミングだったので
美味しい麦ジュースという感じ。
妹尾さん曰く、アルコール苦手な人はこの状態の方が好きという人がいるくらい。
この段階でもとても美味しかったです◎
何故ここまで自然のビール作りにこだわるか。
そこには妹尾さんの歩んできた歴史に理由がありました。
妹尾さんは学生時代に日本酒の発酵について勉強されていました。
卒業後は岡山県の日本酒メーカーに就職。
その日本酒メーカーでビールを作ることになり妹尾さんはビール作りに従事します。
その折にヨーロッパ中を旅された時
ドイツビールももちろん美味しかったけど、ベルギーのビールがとても美味しかった。
地方を回り、地元の人が馬小屋や水車小屋で作っているビールの美味しさに感動。
今まで大学や会社では
「いかに安定的に沢山作るか」を重視して「滅菌」の文化だった事に気づいたそうです。
ビールは醗酵食品。
菌があってこそ。
菌を滅してコントロールするのではなく、菌の味わいを活かしていく。
毎回味が違っていいじゃないか。
ぐびぐび大量に飲むビールだけじゃなく
じっくり味わって飲むビールがあっても良いんじゃないか。
その想いが妹尾さんのビール作りの起源です。
その思いは名前にも込められています。
kotiの由来は
「故知」と「胡地」の二つあります。
一つめの「故知」は、
「温故知新」のように昔の人々の知恵を意味します。
二つ目の「胡地」は、「未開の地」を意味します。
発酵食品とは本来、気候や各地に棲む菌達、
そして人による製造方法の違いによって
土地ごとに豊かな発酵文化が広がっていました。
今では発酵をコントロールし
「安定且つ均一的な製品の大量生産」を作る事が主になって来た。
その背景で各地の「個性」的な発酵文化が消えていってしまった。
kotiではその「個性」を大切にしたい。
その「個性」を実現するには昔では当たり前にされていた
「昔の人々の知恵」が必要です。
そして、ただ昔のビールを再現するのではなく
そこから新しいものを生み出す「未開の地」を切り拓いていくという
目標があるそうです。
出来るだけ自然な昔の製法を使いながら、新しい味わいを作り出す。
そんな魅力を持つ「koti beer(コチビール)」。
妹尾さんは最後にこれからの目標を語ってくれました。
現在、麦芽はドイツ産ですが
今後は国産の物にしてどんどん地産地消にシフトしていきたい。
小麦が現在岡山産の一文字うどんさんのフクホノカを使用しているように
出来るなら岡山県産で揃えたい。
自分で栽培するのも良いのかもしれない、と。
前回の一文字うどんさんでも言われてた日本の小麦の自給率15%の問題。
日本で使用する小麦はほとんど外国に頼りっきりです。
妹尾さんは
「やりたいというより、やらなきゃならないこと」
と言われていました。
自分たちが食べる物を自分たちで作る大切さ。
地産地消する事でその土地に合ったものが出来るし、地域も活性化していく。
それは多様性が復活して行く事。
妹尾さんの作る味わい深いビールは菌や自然の多様性があってこそ。
岡山県産の原料だけで作った「koti beer(コチビール)」は
どんな味わいがするんだろう。
今からとても楽しみです♪
そして、
その土地に根差した豊かな味わの物がどんどん色んな各地で生まれていく
そんな未来を想像してワクワクしました。
「koti beer(コチビール)」は
コタン岡大前店とコタン奉還町店向かいのThe MARKETで販売中です!
大量生産、安定供給では無い為ネットショップでは販売しておりませんが、
ぜひ岡山に来られる際は「koti beer(コチビール)」を味わってみてくださいね!