ああ・・山本さんと出会うまでは、卵はぷっくりして濃い黄色をしているいかにも濃厚そうな卵が栄養豊富でおいしいんだろうと漠然と思っていました。しかし、少しずつ卵の作られる状況が知っていくと、見た目を黄色くするためにパプリカなどの天然着色料を飼料に加えたり、ヨード成分を高くするためにそれを飼料に添加したりと世の中の「おいしそー」に叶うよういろいろ操作されていることを知る。その鶏のほとんどが大型の鶏舎の狭いゲージの中で飼われ、産卵率が悪くなれば、早い期間で選手交代というか、部品交換というテンションで扱われています。
飼料をとってみても、ポストハーベスト農薬(収穫後に品質を維持するために散布される殺虫剤や殺菌剤)のたっぷりかかった外国産トウモロコシを主食としています。
山本さんは、生産者の立場からポストハーベストについて考えます。
①卵は穀物を7倍に濃縮してできる。
②水俣病やカネミ油症で、水銀やPCBといった毒は子宮に蓄えられ、胎児がもっとも重い被害にあった。
③母親は自ら摂取した食物を濃縮して母乳にし、赤ん坊を養う。このことで、母親の食べたものによってアレルギーを起こす乳児が後を絶たない。
以上のことを考え合わせ、母とお腹の子を鶏と卵に置き換えると、科学者でなくともポストハーベストは危ないという結論を出さざるを得ないと山本さん。
「健康な鶏こそ、健康な卵を産む」
山本さんは、この理念のもと、鶏の健康のために1坪あたり6〰7羽程度の広さを確保。土、空気、日光を自由に浴びる環境を鶏に保証し、県内産の大麦を中心に、県内産米ぬか、天然にがり使用のおからなど低タンパクで低カロリーのものを飼料として与えています。収穫後の卵の汚れはたわしとナイフで落とし、水や洗剤を使って卵を洗いません。卵殻の表面にはクラチカ層という透明な膜があり、洗卵するとその膜が剝がれて雑菌が入り日持ちが悪くなるばかりか、洗剤も卵の中に入り込んでしまうからです。
いかにたくさんの卵を産ませるかというような人間本位の鶏との関係ではなく、鶏の自然な要望に応え、鶏たちが健康に生きていく中で生んでくれるその卵を、恵みとしていただくという気持ち。その上に立って、日々、鶏たちと付き合っている。
コタンでも長くファンの多い山本さんの卵。とにかく元気で美味しいんです。
コタンが野外のお祭りで出すこの卵を使った卵かけごはんは毎回自分らも楽しみなごちそう。
「子供がほかの卵を食べなくなって」というお母さんがお客さんの中に何人もいるほど、味に敏感な子供はあっという間に卵の匂いに気づくのでしょう。
山本さんの卵は、トウモロコシ(ポストハーベスト不使用)の使用は国産麦の不足時のみに留め、着色料を使用しませんので黄身の色はレモン色の薄めであることをご了承ください。
継地寮 山本さんの自然卵 一個 50円
保存は、サルモネラ菌対策のため、冷蔵庫で卵の尖った方を下にして保存してください。夏場で2週間、冬場なら3~4週間が生食の目安です。それ以降も十分火を通して頂ければ(60℃で3分以上)食べられます。
「わが子に胸を張って食べさせられるものを生産する。」