2024.06.01

STAFFコラム6月

今月のコラム担当は、岡大前店店頭スタッフであり、岡山のイベントでは引っ張りだこの料理人にしのさわこ。

文章はなかなか生真面目ですが、彼女のつくるお料理には、軽やかな優しさと、ハッとするような鮮やかさが溢れています🕊️

ぜひ、 『おべんとう、にちにち』でさわちゃんの美味しいごはんを味わってみてください😋

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私は、週2日、金曜日と土曜日に岡山市内天神町にある上之町會舘で
「おべんとう、にちにち。」という、間借りの定食屋・お弁当屋を営んでいます。

私が日々の営業で大切にしていることは、
生産者さんや仲介者さんの顔や想いがわかる距離感で
食材の”本来の旬”に合わせた食材選びをすること。

気候変動、燃料の高騰、人手不足など、挙げればキリがないほど様々な要因で
私たちの「食」をとりまく環境は、日々激変しています。
その激動の時代の中で「飲食店」として食を提供する者の役割は変わらないのでしょうか。

私は、「飲食店」として仕事をする中で、娯楽としての豊かさを提供する以上に、
地域の食文化や、歴史、現状を伝えることに、大きな意義を感じています。

採れすぎて困っている、見た目が悪くて売れない、時代が変わり食べる人が減った、
伝統的な製法で細く長く製造を続けている、
手間暇かけて環境に配慮しながら作られている、
そういう食材に手を伸ばせる賢さと余裕を持った人でありたい、と思うのです。

そして、それらを過不足なく、ありのままの素朴な表現で
”人参だから”ではなく、”この、人参だから”を、感じて、その日のお皿に込められるような技術をもった表現者になれるよう、修行中です。

カウンター8席とテーブル席2つの小さな世界で
その日、お皿にのせた食材ひとつひとつの背景を、どれだけ知って、込めて、伝えられるか。
それを知って、食べて下さったお客様の日々の食材選びが、小さな選択の積み重ねが、
自分たちが生きる環境を、ほんの少しでも守り、応援することに繋がれば、
現代の「飲食店」としての役割を、果たしていると言えるのではないでしょうか。

「台所にはすべてがつまっている」

家庭の台所を見つめ直すきっかけになるようなお店になることが、私の目標です。