2008.04.12

     これは海藻。ちからつよい海藻。

アラメは昆布科に属する海藻で、島根県の隠岐の島では醤油とみりんで煮付け、普段から食卓によくのぼる食材ですが、県外ではあまり知られていません。

アラメは隠岐ではいろいろな場所でとることができますが、武田さんの販売するアラメは島の最北端の海、「国立公園隠岐白島海岸」でとれたもの。武田さんの営む食料品店から車で30分ほど行ったとこにある海岸から、漁師歴40年のベテラン大西寿夫さん、クニコさん夫婦、息子の寿春さんが朝早くから漁に出てとってきて、手間をかけて加工したものです。

大西のおじさんの漁は「かなぎ漁」といわれる、伝統の漁法です。「かなぎ」とは木製の箱めがねの事。そこがガラスになっており、これを使うと海中が良く見えます。「かなぎ」についている小さなゴムの部分を歯で噛んで位置を固定。右手にはアラメを刈る鎌をもち、左手で舵を切って舟を操ります。

とれたばかりの新鮮なアラメはすぐに港近くで天日干しにします。海からあげたばかりのアラメは深い緑色をしていますが、天気がいい日は一日で乾いて真っ黒に。が、これで完成ではありません。アラメは渋みがつよい海藻であるため、商品にするにはここからが大変。

まず、天日干ししたアラメを海岸から吊下げて海水につけ、渋みを出します。そのあと大西のおばちゃんが適当な大きさに切り、一晩じっくりかけて地下水で茹であげていくのです。大西さんの所では、ゆでる作業には、松の木を切り出した薪と、名水として知られる近くの地下水を使っています。最後に茹で上がったアラメをザルの上にあげ、潮風の中で再び乾燥させます。

こうして三人の共同作業で完成させた商品を 5kg の袋に入れて武田さんのところに納品し、60g 入りの袋に小分けしたら出来上がりです。

これだけ手間ひまかけて作られたアラメ。その食べ方をちらっと紹介します。

食べ方

「まず水に戻します」
ボールに10倍程度の水を入れてアラメを浸します。しばらくしてアラメが5倍くらいの大きさにもどります。水を切ってお好みの料理にお使いください。

「アラメの煮付け」
鍋またはフライパンに少量の水をいれ、砂糖(又は、みりん)、醤油などで味付けをし、細火で煮ます。味がしみたら出来上がり。

「アラメの天ぷら」
戻したアラメの水を良く切り、衣をつけて天ぷらに。磯の香りが良く残った天ぷらです。

そのほか、味噌汁に入れるのも、豚肉と油揚げ、ジャガイモと一緒に炒め煮にするのも美味しいでしょう。磯の野生。アラメ。

 

隠岐 白島アラメ 60g 525円(税込)
加工者 : 武田商店(有)


白島アラメ
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