ブログ

現在、コタンでは商品の集荷場所、出荷場所となる倉庫を探しています。いわゆる倉庫という物件じゃなくても民家でも建物によっては使えるかと思います。

メインは倉庫機能ですが、場所と建物によってはコタン倉庫店、センターTheMARKETなどを併設して、その地域でコタンができたらいいかなとも考えています。

下の条件で何かありましたら、まず一度見に行きますので、ご連絡ください。
・1階 運送業者の2tが止めれる。(横づけまたは荷物運べる程度に)
・居宅 25坪〜
・普通車2台??︎
・場所は岡山駅西口まで車で行きやすい
・古民家を改造なども可
・動力電源あればうれしい
・土地のキャパが大きくて、駐車スペースが広く、コタン倉庫店、センターTheMARKET、イベント会場など夢が広がる場所なら、郊外でも可

書いてると希望ばっかりになるのでこのへんで、何か心当たりあれば是非連絡ください。

連絡先 090ー7220ー1972 近藤(コタン)

※上の絵は、MAXこんなになったらいいなの夢図。まずは倉庫機能だけの場所でも良い。

<ひな祭り研修 一文字うどん 編>
ひな祭り研修2件目は「一文字うどん」さん。
雨降る中、しかも店休中のところ待ってくださっていたのは大倉さん。店内に入ると、そこはなんともほっとできる食堂といった雰囲気。メニューの写真が目に入り、思わず食べたくなってしまいました。

パンフレットもセッティングされた席に着くと、控えめではにかんだ笑顔が素敵な大倉さん、静かに語り始めました。
以前は材木屋さんをされていたそうですが、セルフうどん発祥店「名玄」さんに教えを請い、心機一転セルフうどん屋さんをスタート。22年程前からは有機野菜を買ったり、だんだんと地物を大切にするようになったという大倉さん。名刀味噌さんともこの頃からの繋がりがあるとか。国産の小麦に興味を持った大倉さんは、しらさぎ小麦と出会い、1995年には初めて小麦の種まきをし、地元の粉を使ったうどん作りをされています。
1997年には石臼機を導入。大倉さんのこだわりが詰まった特注品です。製粉というのはとても難しく、毎回違う色や質感のうどんに、客足が遠のくこともあったそうですが、移行錯誤を重ねたそうです。今は30㎏の粉から5kg取れる白い粉と、残りの25㎏を再度挽いたものをブレンドし、おいしいうどんを打っておられます。

石臼についてとても嬉しそうに語ってくださった大倉さん、石臼挽きのいいところは
①粉の温度が上がらないということ、②粉の粒子が丸くなること。①については粉の劣化がしにくいという点、②については、粉の粒子が丸くなることで、粉同士が結びついた際に隙間がうまれ、みずもちのいいうどんができるという点がポイント。ロール挽きの粉は粒子が四角くなり、粉同士が結びつく際に隙間ができにくいため、加水率は45%程度。それが一文字さんのうどんは52%もあるといいます。それによって、つるつる シコシコ もちもちのうどんができるそうです。とにかく製粉の研究をとことんまでやっておられる、研究者肌の大倉さんです。製粉次第でうどんが決まるのだと感じました。

そして大倉さんのこだわりは何と言っても地物を使いたいということ。地元の農業を元気にしたい、“この土地の”という想いに感激しました。近年は大手のうどんチェーン店が国産小麦を使うというので、製粉会社が国産小麦の製粉に力を入れているそうですが、あらゆる産地の粉をうどんに合うようにブレンドして使っているとのこと。国産小麦を使うなら、その土地のものだけにこだわったものをやろうよ!という大倉さんの熱い気持ちが印象的でしたし、私たちが大切にしている食と人との繋がりそのものだなと共感しました。

昨年からwacca farmの小麦をMARKETで製粉もしているので、次の収穫に向けてもっと製粉にこだわりたい!と思いました。
6年前に息子さんが店長になられて、製粉研究に集中できるようになったという大倉さん、後継ぎの存在は大きいことをあらためて感じました。合鴨農法を取り入れ、その鴨をつかった商品の提供を始めるなど、地産地消を実践し続ける一文字うどんさん。製粉のこだわりと地物へのこだわりが、ここだけのうどんのおいしさを作っています。
いい物は徐々にでも人々に伝わり続いていくもの。あきらめず、よりよくしたいという想いが大切なんだと感じた日でした。

後日、「備前福岡の市」に足を運び、そのまま一文字うどんさんでお昼を頂きました。

しっかりと粉の味が感じられる、もっちりとしているけれどゴムのようなねちこさではない歯ざわりが印象的でした。だしもうまみたっぷりで絶品です。

トッピングの地物を使った天ぷらやおにぎりも豊富で、どれにしようか迷うほど。この日は絶えずお客さんが来られていて、お店もとても忙しそうでした。

何度も通っていろんなメニュー、組み合わせを試したくなりました。またお邪魔したいと思います!大倉さん、ありがとうございました。

3月3日 くもり ひな祭り研修

お店の定休日を利用して、岡山県瀬戸内市長船町にある名刀味噌本舗さんへスタッフ一同お邪魔してきました。

作業場に入った第一印象。 前にお伺いした時にも感じましたが、建物に入ると心なしか背筋がスッと伸びる。それは、長い年月を物語る古い建物の佇まいがそうさせたのか、それとも蔵付きの菌たちによるものなのかはわかりませんが、とにかく身は引き締まる。そしてこの感覚は、小豆島ヤマロク醤油さんの醤油蔵に入った時にも、同様に感じたことでもありました。

コタン一行を迎えてくださったのは、二代目宣隆さんと三代目の隆平さんと陽平さん。
創業者の初代喜久郎さんは戦後、地元の醤油工場で勤めていて、当時は醤油が飛ぶように売れたそうです。しかし、時代が安定するにつれ大手メーカーの製品に押されて工場は閉鎖してしまう。そこで、醤油工場で身につけた技術をもとに、こうじ屋さんを創業したのが名刀味噌本舗さんの始まりとのことでした。
当時は各家庭がこうじ屋さんに自分とこのお米を持ち込み、麹にしてもらったものでお味噌をつくるのがポピュラーだったとのことでした。なんて豊かで素敵な時代だったのだろう。そして、長船では、昔から醤油を足したひしお麹、甘酒、夏場につくるひなた味噌が良く食べられていたそうです。そこで、初代喜久郎さんは日持ちせず扱いが難しい麹を乾燥させ、誰でも気軽に使える乾燥麹を試行錯誤のうえ開発したそうです。なんと、乾燥麹を商品化させたのは、名刀味噌本舗さんが最初。そしてちょうどその頃、マクロビを推奨する方の目にとまり、健康食品として、乾燥麹が広まっていったそうです。なんやかんやを入れて量産する業者もいる中、名刀味噌ではもちろん、創業から添加物は一度も使ってないよと力強く教えて貰ったところで、お話は二代目から三代目隆平さんへバトンタッチ。

隆平さんには、実際に麹を作っている作業場を見せてもらいました。麹をつくる箱は約2m四方高さ50cmほどの箱の中で作られています。

その日は残念ながら、仕込み中の麹はなかったので見ることができませんでしたが、目には見えてないけどいい仕事をしてくれている蔵付きの菌たちのただならぬ気配だけは、感じることができました。
(下2枚の写真は以前お邪魔したときのもの)


箱の下には、乾燥させるために温かい空気をおくる年代物の送風機が取り付けられていました。ボイラーの熱量を調整するのもさじ加減ひとつ手動のバルブ。ここには一切デジタル化されたものはなく、作業は全て手作業職人の手の感覚で行われているとのことでした。

先ほど、二代目の話にもでてきた各家庭からお米がもちこまれるのことが、普通だったとありましたが、最近になってその数が増えてきたそうです。そのタイミングを聞いたところ、やはり3.11後から。かなり遠方からも依頼が来ているので大忙しだそうです。さらに続けて『納豆はタブーですか?』と、私のありきたりな質問に、『ここにいてくれている菌たちはとても安定しているので、ちょっとやそっとじゃ負けないから大丈夫!だけど、やっぱりいつのまにか食べないようにはしているんですよ。好きなんですけどね・・』と隆平さん。
ここでも、職人さんのこだわりをキラリ発見しました。

そして最後にお話を伺ったのは、とても良い感じに馴染んだ寺田本家の前掛けをしていた陽平さん。
醸造学を学び、外に出て幅広い分野での醸造を身につけ、最近戻ってこられた陽平さん。そして、ここで陽平さんが戻られてから商品化されるという、まさにちょうど仕込まれていた塩麹をスタッフみんなで味見させて貰いました。一瞬の間を置き・・スタッフ一同驚愕!!!!これはっ別格!!!!!今まで自分で作っていた塩麹はなんだったんだろ。塩分が少なく直接スプーンでなめることができる塩麹。名刀味噌さんの塩分濃度は5%、一般に市販されている塩麹は倍以上であるし、旨みの濃さが全く違う!!!長年の蔵付きの菌がいる作業場で発酵を知り尽くしたお三方が織り成す醸しの技!!まさにここに見たり!!です。すいません興奮しました。でも本当に格別にうまい。しかも、加熱処理をしていないので、麹本来が持っている酵素を生きたまま体へ取り入れることができます。なので商品名は、『生塩麴』。洋平さんのお話によるとどうやら、乳酸菌がポイントとのことだそうです。ちょうど最近異なる分野の醗酵のプロからも、乳酸菌がキモだよ・乳酸菌の時代だよと聞いたばかりだったので、妙に一人大納得。ガッテンボタン押しまくりでした。乳酸発酵により雑菌から食品を守る効果があり、植物性乳酸菌は日本人の体質に合っていて整腸作用がが期待できるといわれています。

陽平さんが戻ってきてくれたから、最高の商品が作ることができたと弟の隆平さん。それを、本当に嬉しそうに黙って聞いている二代目宣隆さん。こんなにも、それぞれの仕事に誇りをもって、お互いを尊敬しあえる家族ってそうはない。名刀味噌本舗さんのおいしさの1番の秘密はこれだと、確信した名刀味噌本舗さんでの研修でした。

宣隆さん陽平さん隆平さん 貴重なお話と時間
ありがとうございました。
今度は初代喜久郎さんにもお会いしたいなぁと思いながら作業場を後にするとすぐ、長船の春を見つけました。

staff 又