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ぐっと寒くなってきて
秋らしい日々が続いていますね。
みなさんお元気にされていますか?

先日、コタンスタッフでコタン研修ツアーに行って参りました♪

岡山の東部(備前市、瀬戸内市、邑久町)でお世話になっている生産者さん達。
直接現場やお話が聞けるので毎回とても楽しみ!

それぞれの生産者さんの研修ツアーの様子を数回に分けお届けします♪

はじまりハジマリ~!

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【備前福岡 一文字うどん】

岡山県瀬戸内市。
豊かな吉井川とその周辺の緑に囲まれた小さなセルフうどん屋さん。

自家栽培・自家製粉(しかも石臼)の小麦粉を使用した、とても珍しいうどん屋さんなのです!

石臼と共に出迎えてくれたのは、二代目の大倉秀千代さん。

柔和な雰囲気と笑顔が素敵なお方。
石臼で小麦を挽く実演をしてくださいました。

元々東京でメーカーの営業職を20年され、Uターンで家業のうどん屋を継ぎました。

子供が産まれてから、田舎暮らしや食に興味が湧いていた秀千代さん。

うどん屋を継ぐとき、奥さんの友人で食に関心のある人に
「でも日本の小麦ではないんでしょう?」と言われ
その時「そんなものは無いよ」と答えたそうです。

当時うどんの原料と言えば輸入小麦が主流。

「うどんは日本の伝統食なのに、なぜ輸入小麦を使うんだろう?」

うどんの材料は、小麦粉と、塩水。
シンプルだからこそ、小麦のおいしさと安全にどうしてもこだわりたかった。

その思いから
「日本の伝統食であるうどんを国産の小麦粉で作りたい」そう強く思ったそうです。

そんな中、小麦の日本の自給率は15%。
ほとんど輸入に頼りっきりです。

因みに、原料に「小麦(国内製造)」とあっても
日本国内で製粉したという意味で原料の小麦は外国産がほとんど。

全国うどんに合う国産小麦を探し回り、辿り着いた先は灯台下暗し、隣町にあったそう。

絶滅危惧品種小麦の「しらさぎ小麦」

昔では瀬戸内沿岸で沢山栽培されていたそうですが、現在では超希少種で中々入手困難に。

それなら自分で栽培しよう!(しかも無農薬!)
と、種を分けてもらったのが小麦からつくるうどん屋の始まりです。

通常小麦はロール製粉機が主流ですが
どうせ挽くなら石臼製粉にこだわりたい、と石臼製粉業者を探すもすでに廃業。。

それなら自分で挽こう!と石臼製粉機を購入。

すごいバイタリティです!

それから国産小麦・石臼製粉でうどんを作る試作の日々が始まりました。

自然栽培で育てた小麦を石臼から挽いて製粉する。
小麦から採れる小麦粉は全体の7割。
石臼では2度の製粉作業が必要なので時間も倍かかります。

時間をかけて製粉した小麦粉から作るうどん。

手間暇かかるうどんは、元々ハレの日(特別な日)の食べ物でした。
ファーストフードのように食べるようになったのは近代になってからだそう。

そんな中、当時は国産小麦でうどんを作るのはコストも高く、プロでも扱いが難しい。
そのわりには特に美味しいわけではない、というのが主流。無謀だと言われたそうです。

そして最初に出来たうどんはブツブツと切れやすく、うどんとは言えない代物。

それでも石臼の溝の形や回転数、配合など調整し、諦めずに試作を重ねた結果
もっちり滑らかなうどんが実現しました!

渾身のうどん!

ただ、事前に茹でておき、食べる時に再度茹でて温めるセルフうどんには
しらさぎ小麦はあまり合わなかったそう。

なのでしらさぎ小麦のうどんは注文をもらってから茹でるスタイルに。

セルフうどんには「フクホノカ小麦」を使用しています。

今ではこちらのフクホノカ小麦も
同じ瀬戸内市内の農家に委託栽培して育ててもらい、自社石臼製粉しています。

手間暇かけた石臼製粉の良い所は、製粉時に熱がほとんど発生しないため、
たんぱく質の変異も少なく、小麦の風味がしっかり残っている事。

また、一粒丸ごと胚芽もふすま(外皮)も製粉するため、栄養価も高い。

全部入ってるからこそ、一文字うどんのうどんは少し黒ずんで見えるのです。

そんなうどんに情熱をかける秀千代さん。

情熱はうどんだけではありませんでした。

小麦を育てようと思ったきっかけのひとつに故郷の景観があります。

時代と共に農家がどんどん辞めていき、畑を住宅にしたり、耕作放棄地がどんどん増え、
故郷が寂しい風景になってきた。

故郷の景観を作っているのは農業だ。

その思いから、耕作放棄地にフクホノカ小麦の委託栽培をお願いしていった経緯もあります。

このフクホノカ小麦は慣行栽培(農薬使用)ですが、
農家の方にお話しし、化学肥料は使用せず菜種カスを使用しています。

ご自身で育てる無農薬のしらさぎ小麦の表作では、合鴨農法の無農薬でお米も作っておられます。
(引退した合鴨はお店で鴨南蛮うどんとして登場)

豊かに実る麦の穂や合鴨が戯れる田んぼ。

秀千代さんが大事にしたかった故郷の景色がここにはあります。

そして、最初に言われてたよう、日本の小麦の自給率は15%。

昔の「朝昼晩ご飯」を食べてた文化から
現代は「朝パン、昼麺、夜ご飯」が主流になって来た。

米の代わりに主食ともいえる状況の小麦の自給率がたった15%。

もし外国から輸入する小麦が、不作や規制などで日本に入って来なくなってしまったら。。

自分たちで小麦を作る重要性を感じています。

もし日本に輸入小麦が入らなくなっても、自分たちで小麦を作る一文字うどんは
うどんを打っていくことが出来ます。
これってとっても強い事。

日本の食物全体の自給率は37%。
(みなさんはどう感じますか?)

自分たちで食べる物を自分たちで育てる事。
その土地で生きて行くという事。

お店で出す天ぷらも、自身の畑や地元の農家さんの野菜を使用。
出来る限り地産地消で作って行く。

その一環として、毎月第4日曜日に開催の「備前福岡の市」も秀千代さんが発起人です。

一文字うどんのある岡山県瀬戸内市長船町福岡は、
国宝の一遍上人聖絵に描かれている「中世福岡の市」で有名なところです。
中世では、「山陽道で第一級の都市」といわれたほど栄えたところ。

それほど豊かで栄えたこの土地をまた活気づかせたいと始められました。

「備前福岡の市」では
地元瀬戸内市の農業者、生産・加工業者、工芸家を中心に、自慢の品が集まります。

そのほとんどの生産者が、環境負荷の少ない農法による生産や
その生産物の加工・販売を行い、地産地消に取り組んでいます。

一文字うどんの取り組みが輪になって、地域や環境を守る人たちを繋げていったのです。

生産者以外にも、一般の方にも食育を通して食べる事、環境、地域に興味を持ってもらいたい。
そういった思いで「一文字うどん教室」や「農業体験」も実施されています。

ここで、一文字うどんさんからお知らせです♪

近日、秀千代さんのうどん教室が開催されます!

全4回。
会場は岡山県瀬戸内市の一文字うどんと瀬戸内市邑久町牛窓の牛窓テレモーク。

現在募集中ですので、ご興味あれば是非応募してみてくださいね◎

詳細・お申し込みはコチラから↓↓↓
「瀬戸内市産小麦で手打ちうどんを楽しむ
(全4回)」
https://ushimadotepemok.stores.jp

一文字うどんの研修で感じたのは、良い循環の輪です。

原料にこだわる→国産小麦→→自給する(自分たちで作る)→環境への配慮→
→地産地消→地域活性化→消費者への食育→→そして原料にこだわるに戻る

この輪はどれが無くなっても繋がっていきません。

今回、メルマガを書くにあたって
一文字うどんさんの過去のブログや記事を読む機会がありました。

その中の文章に、今回の研修で感じた、秀千代さんの想いが詰まっているように思ったので
抜粋致します。

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この地域を、子や孫の代まで住み続けられるような地域にしたいと思っています。
そのためには、地域住民の多くが関わる農業がうまく回っていく必要があり、
小規模でも持続できる地域営農モデルを作りたいと考えています。

今後、「親子田んぼと食べるもん学校」と
地元の「五穀合鴨農法研究会」の生産者が連携し、
農業応援団を広げるような活動をしていければと思います。

また、地域に愛着のある子は地域を大切にします。
今の子ども達に原風景・原体験をたくさん経験してもらい、
次の世代の地域づくりにつなげていければと思っています。

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その他にも、

北海道大学で開催された、国際セミナーに登壇された時のブログでは

「いい農業」は、生産者だけではできないんだということを、
そして、「いい農業」は、生産者だけの問題ではなく、食べる人にも同じような問題なのだということ
改めて確認することができました。

という文章が。

コタンで働いていて常々感じる、自分は消費者として何が出来るのかという事。

幸いコタンという想いの詰まった生産者さんの商品を扱わせていただく商店に勤めています。

生産者さんの想い、商品の良さを伝えていけたらと強く思いました。

そして循環の輪がしっかりとした太い輪になっていけたら。

商品を繋げたり、買って食べたり、そういった地産地消のイベントに参加したり、
消費者として関わろうと思えば大なり小なりできます。

そこに関わろうとするか、関わらないままにするか。

それは自分が決めること。

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一文字うどんさんの研修の終わりに、コタンの代表が付け加えました。

「日本の小麦の自給率を考えると本当に深刻。
 自分で作った無農薬の小麦で自家製紛しうどんを打つ一文字うどんさんは
 本当に日本の最先端。

 日本で小麦栽培がどんどん増えて行く事、まず自給率を上げる事が大切。

 日本の農業は慣行栽培(農薬化学肥料を使う農業)がスタンダードになってしまっている中で
 全て無農薬の小麦を作っていくようになるには長い時間がかかると思う。
 (長年慣行栽培をしている農家さんのマインドや行政の仕組みなど)

 まずは慣行栽培であっても「自分たちで小麦を作る」事が大切だと思う。」

物事が変化する過程には段階があると思います。

いきなり全て完璧にしようと思うとスタートすら切れない時がある。
規制しすぎて普及しなかったりする。

理想はしっかり持ちつつも、まずは徐々に。
出来るようになって、徐々にやりたい事をクリアしていく。

これも大事な事だと思います。

オーガニック商品を求める理由は人により様々。

選んでもいいし選ばなくてもいい。
色んな人が居ていい。
自身で選択することがとても大切なのだと思います。

そんな一文字うどんさんの商品がコタンネットショップでも買えます♪

ぜひ国産小麦・石臼製粉の小麦本来の味を味わってみてください!

一文字 / 一文字うどん 200g

※画像を押すと商品ページに飛びます。

岡山県瀬戸内市産「フクホノカ小麦」使用。自家石臼挽き小麦100%の乾麺タイプのうどん。
黒く見える色の秘密は、ふすまと胚芽も一緒に挽きこんでいるから栄養たっぷり。
自家石臼挽きだからできる、香り高いおうどん。
お家でも一文字うどんさんのうどんが楽しめます!

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一文字うどん / 岡山県産 無農薬 しらさぎ小麦(薄中力粉) 500g

※画像を押すと商品ページに飛びます。

一文字うどんさん自身が育てた絶滅危惧種の希少な無農薬「しらさぎ小麦」。
石臼で小麦を丸々製粉したきめ細かい薄力粉です。
ふすまと胚芽も一緒に挽くので少し黒く見え、麦本来の香りや旨味を楽しめます。
うどんの他にお菓子、お好み焼きなどもオススメ!
とても希少ですので数はあまりご用意出来ませんが是非お試しいただきたい逸品です。

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一文字うどん / 岡山県産 フクホノカ (薄中力粉) 500g

※画像を押すと商品ページに飛びます。

瀬戸内市の農家さんに委託栽培してもらい自社で石臼製粉されています。
石臼で小麦を丸々製粉したきめの細かい薄力粉。
ふすまと胚芽も一緒に挽くので少し黒く見え、麦本来の香りや旨味を楽しめます。
うどんの他にお菓子作りはもちろん、お好み焼きやたこ焼きは、外はカリッ!
中はふっくらとしてとても美味しいです。
こちらは慣行栽培ですが、化学肥料は使用せず菜種カスを使用しています。

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食品について深く考えさせてもらった「一文字うどん」さん。

今は三代目の息子さんと一緒にお店と地域を盛り上げておられます。

活き活きお話しするお姿が印象的でした◎
秀千代さんありがとうございました!

研修はまだまだ続きます!
次回のレポートもお楽しみに♪

<ひな祭り研修 一文字うどん 編>
ひな祭り研修2件目は「一文字うどん」さん。
雨降る中、しかも店休中のところ待ってくださっていたのは大倉さん。店内に入ると、そこはなんともほっとできる食堂といった雰囲気。メニューの写真が目に入り、思わず食べたくなってしまいました。

パンフレットもセッティングされた席に着くと、控えめではにかんだ笑顔が素敵な大倉さん、静かに語り始めました。
以前は材木屋さんをされていたそうですが、セルフうどん発祥店「名玄」さんに教えを請い、心機一転セルフうどん屋さんをスタート。22年程前からは有機野菜を買ったり、だんだんと地物を大切にするようになったという大倉さん。名刀味噌さんともこの頃からの繋がりがあるとか。国産の小麦に興味を持った大倉さんは、しらさぎ小麦と出会い、1995年には初めて小麦の種まきをし、地元の粉を使ったうどん作りをされています。
1997年には石臼機を導入。大倉さんのこだわりが詰まった特注品です。製粉というのはとても難しく、毎回違う色や質感のうどんに、客足が遠のくこともあったそうですが、移行錯誤を重ねたそうです。今は30㎏の粉から5kg取れる白い粉と、残りの25㎏を再度挽いたものをブレンドし、おいしいうどんを打っておられます。

石臼についてとても嬉しそうに語ってくださった大倉さん、石臼挽きのいいところは
①粉の温度が上がらないということ、②粉の粒子が丸くなること。①については粉の劣化がしにくいという点、②については、粉の粒子が丸くなることで、粉同士が結びついた際に隙間がうまれ、みずもちのいいうどんができるという点がポイント。ロール挽きの粉は粒子が四角くなり、粉同士が結びつく際に隙間ができにくいため、加水率は45%程度。それが一文字さんのうどんは52%もあるといいます。それによって、つるつる シコシコ もちもちのうどんができるそうです。とにかく製粉の研究をとことんまでやっておられる、研究者肌の大倉さんです。製粉次第でうどんが決まるのだと感じました。

そして大倉さんのこだわりは何と言っても地物を使いたいということ。地元の農業を元気にしたい、“この土地の”という想いに感激しました。近年は大手のうどんチェーン店が国産小麦を使うというので、製粉会社が国産小麦の製粉に力を入れているそうですが、あらゆる産地の粉をうどんに合うようにブレンドして使っているとのこと。国産小麦を使うなら、その土地のものだけにこだわったものをやろうよ!という大倉さんの熱い気持ちが印象的でしたし、私たちが大切にしている食と人との繋がりそのものだなと共感しました。

昨年からwacca farmの小麦をMARKETで製粉もしているので、次の収穫に向けてもっと製粉にこだわりたい!と思いました。
6年前に息子さんが店長になられて、製粉研究に集中できるようになったという大倉さん、後継ぎの存在は大きいことをあらためて感じました。合鴨農法を取り入れ、その鴨をつかった商品の提供を始めるなど、地産地消を実践し続ける一文字うどんさん。製粉のこだわりと地物へのこだわりが、ここだけのうどんのおいしさを作っています。
いい物は徐々にでも人々に伝わり続いていくもの。あきらめず、よりよくしたいという想いが大切なんだと感じた日でした。

後日、「備前福岡の市」に足を運び、そのまま一文字うどんさんでお昼を頂きました。

しっかりと粉の味が感じられる、もっちりとしているけれどゴムのようなねちこさではない歯ざわりが印象的でした。だしもうまみたっぷりで絶品です。

トッピングの地物を使った天ぷらやおにぎりも豊富で、どれにしようか迷うほど。この日は絶えずお客さんが来られていて、お店もとても忙しそうでした。

何度も通っていろんなメニュー、組み合わせを試したくなりました。またお邪魔したいと思います!大倉さん、ありがとうございました。