2023.08.09

《hide column》桜の木の下。瀬戸内採種組合の誕生!夢に向かう。

今年の2月でした。コタンがお世話になっている固定種の種屋、光郷城 畑懐(こうごうせいはふう)、浜名農園代表の中村さんから岡山に来てると電話があり、初めて会い呑み交わす。初めて会ったが共通の意識や経験がたくさんあり意気投合。話は止まらず、目から鱗話盛り沢山、この場でした話を是非ほかの人とも共有したいと思いその場で岡山講演の約束をして別れた。

コタンで販売する畑懐の固定種種子

そしてあれよあれよと2ヶ月後の4月にワッカファーム錦海寮にて会を開くことに。ただ今回の会は、F1交配種が悪くて固定種が良いなどの二元論的に話をするのではなく、もっと大きく広く種から農業の過去と今を捉えながら、これからの種からはじまる農業を皆で考える会にしたかった。

2023年4月 種ミーティング

その結果、プロ農家限定の会とした。ジャンルやカテゴリー、イデオロギーや思想を超えて、農業のより良い未来を種から考えてみる実験の会。

畑懐代表 中村訓さん

最初の呑み会でもっとも印象的だったのが、種屋を20年以上やってきた中村さん、数年前に末端の採種農家が問屋に卸す値段を知り、その安さに驚き、種屋の立場として農家に謝りたいと話してくれたことだ。

決して中村さんが悪いわけではないが、生業の片手間的に気持ちで採種してくれる農家の手仕事に支えられて種の供給がかろうじて続いできた現実を知り、日本で固定種の種を繋いで行くことがこのままでは終わってしまうと。日本の採種農家も通常の農家と同様高齢化が進み、どんどん減っていっている。そして固定種の種と言えど多くを海外採種に頼っている現実。

種を繫がないと農が繋がらない・・・

ワッカファーム代表とorganicfarm風の谷代表

そんな現実の中、採種農家と種屋とコタンのような種の小売店で話し合って、どのような対価なら採種することが一つの生業となり継続でき、いくらで販売したらその農家を支えれるか、種の適正価格を考えよう、そして新規採種農家がまず瀬戸内で生まれ、さらにいろいろな場所で多種多様な野菜と共に採種農家が生まれる第一歩になれば。と。

そして迎えた当日は、有機無農薬、慣行、自然栽培、いろいろなやり方の農家さんがたくさん集まり、種子法がどうとかF1がどうとかを超えて、リアルな種の現実を共有し、話は会が終わってもそれぞれ熱く続いた。

そしてこの翌日に自然栽培自家採種を続けるorganicfarm風の谷の圃場を中村さんと見学。

organic farm 風の谷

これならいける!と中村さんの感触と共に、同じく自然栽培と自家採種を行うワッカファームの皆と桜の木の下で花見しながら昼食。そしてその桜の下で「瀬戸内採種組合」は立ち上がった。

中村さんと対面で過ごして3日目の出来事だ。WAO!!!

そこから春を超え、この2つの農場で採種した固定種の種を5種を秋播き用にリリースする運びとなった。畑懐の秋撒きカタログに掲載された喜びはwaccafarmのインスタグラムの投稿も見てもらいたい。

https://www.instagram.com/p/CvL_1VhvxH6/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

畑懐 2023秋播きカタログ

現実化するスピード感が速すぎて、この採種組合が生まれ実際種を供給するこの現実の革命感、オルナタティブ感をどう伝えたら伝わるかまだ言葉を探しながら、興奮している。

とにかくもうすぐ世の中に顔を出します!ここ瀬戸内の固定種の種!

瀬戸内から芽が出た採種の動きはさらに多くの農家に繋がり広がり、ほかの様々な場所でも同じように芽を出し、多種多様その土地土地の個性あふれる種で農業が楽しく発展していくことを願います。

まだまだ夢のつづき。

自然食コタン